オーストラリア入国時は、原則として紙の「入国カード」を英語で記入し、パスポートと一緒に提出します。氏名や旅程のほか、食品・薬・土の付いた靴・酒・たばこ・多額の現金などを申告します。迷った場合は「はい」を選び、係員に確認しましょう。一部のカンタス航空便ではデジタル申告も試験中です。
入国カードは「英語で、正確に、両面すべて」記入する

オーストラリアの入国カードで最も大切なのは、英語をきれいに書くことではなく、質問をよく読み、事実どおりに申告することです。記入漏れや虚偽の申告がないよう、表面と裏面の両方を確認しましょう。
| ポイント | 記入方法 |
|---|---|
| 記入言語 | 英語で記入する。日本語版は見本として使用 |
| 使用するペン | 青または黒のペン |
| 記入する面 | 表面・裏面の両方 |
| 提出方法 | 到着時にパスポートと一緒に提示 |
| 判断に迷った場合 | 申告対象か分からない場合は「Yes(はい)」を選ぶ |
| デジタル版 | 一部のカンタス航空利用者のみATDを利用可能。対象外の場合は紙のIPCを使用 |
ABFの公式入国カードには、「英語で青または黒のペンを使って記入する」「両面をすべて記入する」「到着時にパスポートと一緒に提示する」と明記されています。また、回答に迷った場合は「Yes」を選ぶよう案内されています。
入国カードは、旅行者の氏名やパスポート情報、入国記録を確認するための書類です。あわせて、健康・人物要件、税関、検疫、通貨などに関する申告にも使用されます。
デジタル版のAustralia Travel Declaration(ATD)は、ブリスベン行きのカンタス航空便と、シドニー・メルボルン行きの一部対象便で試験運用されています。カンタス航空から案内を受けていない旅行者は、通常どおり紙の入国カードを記入します。
2026年現在、入国カードはオンライン化されている?

2026年7月時点では、オーストラリアの入国カードがすべてオンライン化されたわけではありません。基本的には、これまでどおり紙の「入国カード(IPC)」を記入します。
デジタル版の「Australia Travel Declaration(ATD)」も試験的に導入されていますが、利用できるのは一部のカンタス航空便の乗客に限られます。対象者には、カンタス航空からアプリを通じて案内があります。
ATDを利用する場合は、出発前72時間以内にカンタス航空のアプリから申告します。ただし、英語で申告できることや、到着空港でSmartGateなどを利用できることが条件です。
対象便でない人や、デジタル申告を利用しない人は、通常どおり紙の入国カードを提出します。そのため、日本から留学・ワーキングホリデー・観光で渡航する場合は、紙の入国カードを書くつもりで準備しておくと安心です。
〈表面〉オーストラリア入国カードの書き方
入国カードの表面には、氏名やパスポート番号、オーストラリアでの滞在先のほか、税関・検疫、健康状態、犯罪歴に関する質問への回答、署名、日付を記入します。
ABFは、表面・裏面の両方に正確な情報を記入し、すべての質問に回答するよう求めています。紙のカードは英語で、青または黒のペンを使って記入します。
Family / surname(姓)
パスポートの顔写真ページに記載されている姓を、同じローマ字表記で記入します。
記入例:YAMADA
Given names(名)
パスポートに記載されている名を、同じローマ字表記で記入します。ミドルネームがある場合も省略せず、パスポートの表記に合わせてください。
記入例:TARO
ABFの公式案内では、表面に姓・名・パスポート番号を正確に記入するよう定められています。
Passport number(パスポート番号)
パスポートの顔写真ページに記載されている番号を、そのまま記入します。
アルファベットの「O」と数字の「0」、アルファベットの「I」と数字の「1」などを間違えないように確認しましょう。
Flight number or name of ship(便名または船名)
オーストラリアに到着した飛行機の便名を記入します。便名は航空券や搭乗券に記載されているものをそのまま転記してください。
シンガポールや香港などで乗り継いだ場合は、日本から最初に利用した便ではなく、オーストラリアへ到着する最後の区間の便名を記入します。
例えば、東京からシンガポールを経由してシドニーへ到着する場合は、シンガポールからシドニーまで利用した便の番号です。公式カードには「Flight number or name of ship」と記載されています。
Intended address in Australia(オーストラリアでの滞在予定先)
オーストラリア到着後に滞在する予定の住所を、英語で記入します。
次のような滞在先で問題ありません。
- ホテルやホステル
- ホームステイ先
- 学生寮
- シェアハウス
- 家族や友人の自宅
住所欄には、施設名、番地、通り名、都市名を記入し、その横の「State」欄に州名の略称を書きます。
記入例
HOTEL ABC, 123 GEORGE ST, SYDNEYState:NSW
長期滞在先がまだ決まっていない場合は、到着後に最初に泊まるホテルやホステルなど、現在決まっている滞在予定先を記入するのが適切です。
機内ではインターネットに接続できないこともあるため、住所をスマートフォンに保存するだけでなく、スクリーンショットや紙でも控えておきましょう。ABFは、表面にオーストラリアでの滞在予定住所を記載するよう案内しています。
Do you intend to live in Australia for the next 12 months?
「今後12か月にわたって、オーストラリアに住む予定ですか」という質問です。
判断するときは、ビザの種類ではなく、今回予定している実際の滞在期間を基準にします。
| 予定 | 回答の目安 |
|---|---|
| 数日から数週間の観光 | No |
| 3か月や6か月の短期留学 | No |
| 11か月程度の滞在 | No |
| 12か月間滞在する予定 | Yes |
| 1年を超える留学 | Yes |
ワーキングホリデービザを持っていても、実際の滞在予定が半年であれば「No」です。反対に、学生ビザなどで12か月以上住む予定がある場合は「Yes」と回答します。
ABSは、オーストラリアの海外移住統計において、原則として16か月の期間内に合計12か月以上オーストラリアに居住する人を移住者として扱っています。ただし、入国カードでは、記入時点における自分の予定を正直に回答してください。
税関・検疫に関する11の質問
表面右側には、食品、医薬品、酒、たばこ、多額の現金、植物、動物製品、土の付いた靴などに関する11の質問があります。
すべての項目について「Yes」または「No」に印を付けます。ABFの公式カードには、回答に確信が持てない場合は「Yes」を選ぶよう明記されています。
「Yes」を選んだからといって、直ちに没収や罰金になるわけではありません。持っているものを正しく申告し、到着後に係員の判断を受けることが大切です。
Do you have tuberculosis?(結核にかかっていますか)
オーストラリア国籍を持っていない人が回答する項目です。
現在、結核にかかっている、または診断を受けている場合は「Yes」、該当しない場合は「No」を選び
Do you have any criminal conviction/s?(犯罪歴がありますか)
こちらも、オーストラリア国籍を持っていない人が回答します。
過去に刑事犯罪で有罪判決を受けたことがある場合は「Yes」を選びます。判断に迷う事情がある場合は、事実を隠さず、到着後にABFの係員へ説明してください。
ABFは、非オーストラリア国籍者が虚偽の情報を記載した場合、ビザの状態に影響する可能性があると案内しています。ビザ申請時の回答に形式的に合わせるのではなく、入国時点の事実を正確に申告することが重要です。
Declaration / Your signature / Date(誓約・署名・日付)
記入した内容が事実であり、正確かつ完全であることを確認してから署名します。
ABFの公式見本には「パスポートと同じ署名でなければならない」とは記載されていません。ただし、本人確認で混乱しないよう、普段使用している署名を一貫して使用するとよいでしょう。
日付は、署名・申告した日を次の順番で記入します。
日/月/年
2026年7月10日に記入した場合は、次のように書きます。
10 / 07 / 2026
公式カードの署名欄には「Day・Month・Year」と表示されています。
参照元一覧
・Australian Bureau of Statistics「Overseas Migration methodology」 — 12か月以上の居住に関する統計上の基準
・Australian Border Force「Incoming Passenger Card, English」 — 現行の英語版公式見本
・Australian Border Force「Incoming Passenger Card, Japanese」 — 日本語による公式記入見本
※2026年7月13日確認。ABFの入国カード案内ページは2026年6月9日に更新されており、同ページから現在も「Design date 07/19」の公式カード見本が案内されています。
表面の申告質問1〜11番|迷ったら「Yes」にする

入国カードの表面で特に重要なのが、持ち込み品や直近の行動に関する11の質問です。
各項目に「Yes(はい)」または「No(いいえ)」で回答します。ABFの公式カードには、回答に確信が持てない場合は「Yes」を選ぶよう明記されています。
| 番号 | 公式カードの主な内容 | 日本人が迷いやすい例 |
|---|---|---|
| 1 | 禁止品・規制品。医薬品、ステロイド、武器、違法薬物など | 風邪薬、頭痛薬、処方薬、睡眠薬、向精神薬 |
| 2 | 2,250mLを超える酒類、25本を超える紙巻きたばこ、または25gを超えるたばこ製品 | ワイン・日本酒を複数本、紙巻きたばこ26本以上 |
| 3 | 海外で入手した品物や免税品の合計がAUD900を超える場合 | ブランド品、電化製品、時計、贈答品 |
| 4 | 業務・商用目的の物品や見本 | 販売用商品、展示会用サンプル、業務用の見本 |
| 5 | 豪ドルまたは外貨でAUD10,000相当以上 | 日本円や米ドルを含む多額の現金 |
| 6 | 肉、家禽類、魚、海産物、卵、乳製品、果物、野菜 | 肉入り食品、魚の缶詰、卵入り食品、乳製品 |
| 7 | 穀類、種子、球根、わら、ナッツ、植物、ハーブ、伝統薬、木製品 | 米、豆、ナッツ、種、漢方薬、木製のお土産 |
| 8 | 動物、動物の一部、動物製品、ペットフード、貝殻、蜂製品など | はちみつ、羽製品、革・毛皮、貝殻アクセサリー |
| 9 | 土、土の付いた物、淡水域で使用した物 | 登山靴、キャンプ用品、ゴルフ用品、釣り具 |
| 10 | 過去30日以内に農場・家畜・荒野地域・淡水の川や湖などへ行ったか | 牧場体験、農場見学、キャンプ、川や湖での釣り |
| 11 | 過去6日以内にアフリカ、中南米、カリブ海地域にいたか | 対象地域への滞在や立ち寄り |
11項目の正式な文言は、ABFが公開している英語版・日本語見本で確認できます。
1番|薬を持っている場合
入国カードの1番には「医薬品」が明記されています。市販薬や処方薬を持っている場合も、迷うときは「Yes」を選び、係員に見せましょう。
ABFは、薬を元の包装に入れたまま持参し、到着時に申告するよう案内しています。個人用の薬は、原則として3か月分までの旅行者免除を利用できますが、処方箋や医師の英文レターを携帯することが推奨されています。
2番|酒類とたばこの免税範囲
18歳以上の旅行者が免税で持ち込める範囲は、次のとおりです。
- 酒類:合計2.25Lまで
- 紙巻きたばこ:25本まで
- その他のたばこ製品:25gまで
この範囲を超える場合は「Yes」を選びます。1箱20本の紙巻きたばこは通常範囲内ですが、2箱40本なら申告が必要です。
3番|海外購入品・免税品
成人の場合、海外で購入した品物や免税品、贈答品などの合計がAUD900を超えると申告対象です。
ただし、18歳未満の一般品免税枠はAUD450です。未成年者は、カードに記載されたAUD900だけで判断せず、購入額がAUD450を超える場合は係員へ確認するのが安全です。
衣服など、旅行中に通常使用する身の回り品は、すべてが一律にAUD900へ加算されるわけではありません。高額品や判断に迷う品物がある場合は「Yes」を選びましょう。
4番|業務・商用目的の物品や見本
販売、配布、展示、商談など、仕事や事業のために持ち込む商品・サンプルがある場合は「Yes」を選びます。例えば、販売予定の商品、取引先へ渡す見本、展示会用のサンプル、販促品などが該当します。
入国カードの4番には金額の基準が記載されていないため、少量・低価格であっても、業務・商用目的の物品や見本を持っている場合は申告しましょう。品物の種類によっては、金額にかかわらず輸入許可が必要になることがあり、合計価格がAUD1,000を超える商用品は、税関への輸入申告が必要になる場合があります。
判断に迷う場合は「Yes」を選び、到着後にABF職員へ品物の内容や使用目的を説明してください。
5番|現金はAUD10,000相当以上で申告
豪ドル、日本円、米ドルなどを合算し、AUD10,000相当以上の現金を持ち込む場合は申告が必要です。
「AUD10,000を超える場合」ではなく、ちょうどAUD10,000相当の場合も対象です。銀行口座への電子送金は、この現金持ち込みの申告とは別扱いです。
また、旅行小切手、小切手、郵便為替などの無記名譲渡可能証券は、税関職員や警察官から求められた場合、金額にかかわらず報告する必要があります。
6〜8番|食品・植物・動物製品
食品、植物、動物由来品は、原材料や製造方法、原産国によって持ち込み条件が異なります。
例えば「だし」も、魚介エキス、肉エキス、植物、きのこなど、原材料によって該当する質問が変わります。「市販品だから大丈夫」「真空パックだから申告不要」とは限りません。
一方で、市販のチョコレート、一般的な紅茶など、一定の条件を満たせば申告せず持ち込める商品もあります。ただし、輸入条件は変更されることがあるため、渡航前にABFまたはBICONで商品ごとに確認してください。
9〜10番|靴やアウトドア用品
土、種、草、動物のふんなどが付いた靴や用品は、オーストラリアの農業や自然環境へ病害虫を持ち込む原因になります。
登山靴、ゴルフシューズ、キャンプ用品、自転車、釣り具などは、渡航前に洗浄して十分に乾かしてください。きれいにした場合でも、過去30日以内に農場や家畜、荒野地域、淡水域へ行った場合は、10番で「Yes」を選ぶ必要があります。
11番|過去6日以内の対象地域(アフリカなど)への滞在歴
過去6日以内に、アフリカ、中南米、カリブ海地域、中東などに滞在または立ち寄り(トランジット)をしたことがある場合は「Yes」を選びます。
この質問は、主に黄熱病などの深刻な感染症の流入を防ぐためのものです。対象地域から入国する場合、黄熱病の予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められることがあります。対象外の地域(日本など)から直接オーストラリアへ渡航する場合は、通常「No」で問題ありません
未申告・虚偽申告には重い罰則がある

申告が必要な品物を申告しなかったり、虚偽または誤解を招く回答をしたりした場合、2026年7月現在、次の措置を受ける可能性があります。
- 最大AUD7,280の違反通知
- 民事上の制裁手続き
- 刑事訴追
- ビザの取消し
- 入国拒否
- 最長3年間、オーストラリアへ再入国できない可能性
そのため、食品・薬・靴などで少しでも迷った場合は、「No」と自己判断するよりも「Yes」を選び、係員へ現物を見せる方が安全です。
薬を持ち込む場合の入国カードの書き方

風邪薬、頭痛薬、胃腸薬、低用量ピル、処方薬などをオーストラリアへ持ち込む場合は、入国カード1番の医薬品に関する質問で「Yes(はい)」を選び、到着時に係員へ申告できるようにしておきましょう。
ABFの入国カードでは、規制または禁止の対象となる可能性がある品物の例として「medicines(医薬品)」が挙げられています。また、ODCも、持参するすべての薬を到着時にABFへ申告できるよう準備するよう案内しています。
薬を持ち込むときの基本ルール
TGAの旅行者免除を利用すれば、多くの医薬品や医療機器を特別な許可なしで持ち込めます。ただし、次の条件を守る必要があります。
| 準備すること | 内容 |
|---|---|
| 使用目的 | 自分、または一緒に渡航する家族が使用する薬に限る |
| 販売・譲渡 | 他人に販売したり、渡したりしない |
| 元の包装 | 商品の箱や容器、調剤ラベルを残したまま持参する |
| 処方薬の書類 | 処方箋または医師のレターを携帯する |
| 医師のレター | 薬の名前、服用量、本人の治療用であることを記載してもらう |
| 数量 | 原則として3か月分を超えない |
| 帰国時 | 余った薬はオーストラリアに残さず持ち帰る |
| 入国時 | 入国カードで申告し、税関職員の指示に従う |
TGAは、薬を元の包装に入れ、処方薬については処方箋または医師のレターを持参するよう案内しています。ODCは、医師のレターに薬の名前と用量を記載するよう求めています。
日本の市販薬にも医師のレターは必要?
一般的な市販の風邪薬、頭痛薬、胃腸薬などについて、TGAは一律に医師のレターが必須とは案内していません。
ただし、成分を確認できるよう、薬は元の箱やシート、説明書と一緒に持参してください。小分けのケースへ移し替えたり、中身だけを袋に入れたりすると、入国時に薬の種類を確認できない可能性があります。
一方、病院で処方された薬については、次のいずれかを用意しておくのが適切です。
- 処方箋の写し
- 医師が作成した英文レター
英文レターには、本人の氏名、薬の商品名または成分名、用量、服用目的を記載してもらうと説明しやすくなります。ODCの公式条件では、少なくとも薬の名前と用量の記載が求められています。
コデインを含む薬は特に注意
コデインを含む薬は、含有量や強さにかかわらず、医師の処方箋またはレターが必要です。
日本では過去に市販されていたせき止め薬や鎮痛薬にも、コデイン類が含まれている場合があります。持参する前に箱や説明書の成分欄を確認してください。
睡眠薬・向精神薬・医療用麻薬は持ち込める?
モルヒネ、オキシコドン、メサドン、メチルフェニデート、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬・抗不安薬なども、条件を満たせば旅行者免除の対象になります。
これらが一律に持ち込み禁止というわけではありませんが、次の準備が必要です。
- 本人の治療目的であること
- 3か月分以内であること
- 処方箋または医師のレターを持つこと
- 元の包装と調剤ラベルを残すこと
- 到着時に申告すること
薬の種類によっては追加の許可が必要な場合や、旅行者免除の対象外となる場合もあります。
持ち込みできない薬もある
ODCは、次の成分などについて、旅行者が通常の旅行者免除で持ち込むことはできないと案内しています。
- ミフェプリストン
- ヨヒンベ、ヨヒンビン
- アミノフェナゾン、アミノピリン、メタミゾールなど
- アミグダリン、レートリル
日本で使用している薬であっても、オーストラリアでは規制内容が異なることがあります。成分名が分からない薬や、長期間分を持参する場合は、出発前にTGAまたはODCへ確認しましょう。
長期滞在で3か月分を超える場合
入国時に旅行者免除で持ち込める薬は、原則として3か月分までです。
留学やワーキングホリデーで3か月を超えて滞在する場合は、現地の医師から処方を受ける方法などを事前に検討してください。オーストラリア国内で入手できない薬については、個人輸入制度を利用できる場合もありますが、薬の種類によって条件が異なります。
参照元:
・Therapeutic Goods Administration「Entering Australia」 — 旅行者免除、処方薬、包装、3か月分などの条件。
・Therapeutic Goods Administration「Travelling with medicines and medical devices」 — 医薬品・医療機器を携帯する際の基本ルール。
・Office of Drug Control「Travelling to or from Australia with medicines and medical devices」 — 2026年4月28日更新。申告、医師の書類、コデイン、禁止成分など。
・Australian Border Force「What medicines and substances can you bring in?」 — 医薬品と規制物質の持ち込み条件。
食品・お菓子・レトルト食品はどう書く?

オーストラリアは、害虫や病気の侵入を防ぐため、食品・植物・動物製品の持ち込みを厳しく管理しています。
ただし、食品を持っているだけで、必ずすべての項目を「Yes」にするわけではありません。商品の原材料や加工方法に応じて、入国カードの6番・7番・8番など、該当する質問に「Yes」を付けます。
市販品、未開封品、レトルト食品、少量のお菓子であっても、肉・魚・卵・乳製品・穀物・種子・ナッツ・植物・蜂製品などを含む場合は申告対象になることがあります。判断できない場合は「Yes」を選び、到着後に検疫官へ商品を見せましょう。
入国カードのどこに「Yes」を付ける?
食品に関係する主な質問は、次の3つです。
| 質問番号 | 主な対象 |
|---|---|
| 6番 | 肉、鶏肉、魚、海産物、卵、乳製品、果物、野菜 |
| 7番 | 穀類、種子、ナッツ、植物、ハーブ、伝統薬、木製品 |
| 8番 | 動物製品、貝殻、蜂蜜・蜂製品、革・毛皮、ペットフードなど |
複数の原材料を含む商品は、複数の質問に該当することがあります。例えば、米と肉が入ったレトルト食品なら、6番と7番の両方を「Yes」にするのが安全です。
日本から持参しやすい食品の判断例
| 持ち物 | 入国カードの書き方・判断の目安 |
|---|---|
| レトルトご飯 | 米・穀類に当たるため、基本的に7番を「Yes」。肉・魚・卵などが入っていれば6番も「Yes」 |
| カップ麺・即席麺 | 小麦などの穀類を含むため7番を確認。肉・魚介・卵・乳製品入りなら6番も「Yes」 |
| 肉・魚入りの缶詰やレトルト食品 | 6番を「Yes」。商品によって持ち込み条件が異なる |
| だし・スープの素 | 魚介、肉、きのこ、植物など、原材料に応じて6番・7番・8番を確認 |
| 味噌・醤油 | 大豆や穀類が原料のため7番を確認。動物由来のエキスを含む場合は6番も確認 |
| ナッツ・種子・豆・ハーブ | 7番を「Yes」。種類や加工状態によって持ち込み条件が異なる |
| 漢方薬・ハーブ薬 | 7番を「Yes」。動物由来成分があれば8番も確認 |
| はちみつ・蜂製品 | 8番を「Yes」。西オーストラリア州では州独自の追加条件にも注意 |
| 貝殻・革・毛皮・羽製品 | 8番を「Yes」。汚れや付着物がない状態にする |
| 登山靴・キャンプ用品・釣り具 | 土や淡水との接触がある場合は9番を「Yes」。直近30日以内に農場や淡水域などへ行った場合は10番も「Yes」 |
DAFFの日本語版案内でも、ご飯、市販食品、手作り食品、スナック、蜂蜜、ハーブ、ナッツ、種、豆、穀物、魚介製品などが申告対象となり得る例として挙げられています。
お菓子はすべて申告する?
お菓子の中には、条件を満たせば申告せずに持ち込めるものもあります。
ABFは、次の条件をすべて満たすチョコレートや一部の菓子について、申告不要と案内しています。
- 市販品として製造・包装されている
- 個人で食べる目的である
- 合計10kg以内である
- 肉などの対象成分を含まない
申告不要の例には、一般的なチョコレート、飴、キャラメル、マシュマロなどがあります。また、条件を満たすポテトチップス、紅茶、コーヒーなども申告不要と案内されています。
ただし、次のようなお菓子は原材料を確認してください。
- 肉や肉エキス入りのスナック
- 卵・乳製品を多く含む食品
- ナッツや種子がそのまま入った商品
- ドライフルーツ入りの商品
- 手作りのお菓子
- 原材料を確認できない商品
申告不要の条件を満たしているか分からない場合は、自己判断で「No」にせず、「Yes」を選んで係員へ見せる方が安全です。
市販・未開封なら持ち込める?
市販品・未開封品であっても、自動的に持ち込み可能になるわけではありません。
DAFFは、市販・手作り、生・乾燥・調理済み・冷凍などの状態にかかわらず、一定の食品、植物材料、動物製品は少量でも申告が必要と案内しています。真空パックも、加熱殺菌されたレトルト食品と同じ扱いとは限りません。
商品は、次の状態で持参すると検査がスムーズです。
- 未開封のまま持参する
- 商品名と原材料表示が読める状態にする
- 中身を別の袋や容器に移し替えない
- 申告する食品を荷物の取り出しやすい場所にまとめる
登山靴やキャンプ用品にも注意
登山靴、キャンプ用品、釣り具、スポーツ用品は、食品ではありませんが、土・植物・動物のふん・淡水中の生物などを持ち込む可能性があります。
渡航前に泥、草、種、葉、動物由来の汚れなどを落とし、十分に洗浄・乾燥させてください。農村部や動物の近くで使った用品、淡水域で使用した釣り具やウォータースポーツ用品は、きれいにした後でも申告が必要です。
「Yes」にすると没収される?

「Yes」と申告しただけで、必ず没収されるわけではありません。
到着後、検疫官が商品、原材料、原産国、包装、加工状態などを確認します。持ち込み条件を満たしていれば、そのまま返却されることがあります。条件を満たさない場合は、次の対応になる可能性があります。
- 処理や消毒を受ける
- オーストラリア国外へ返送する
- 所有権を放棄して廃棄する
処理や返送にかかる費用は、旅行者の負担になる場合があります。ただし、持っている品物をすべて正しく申告して提示していれば、たとえ持ち込み禁止品だったとしても、申告しなかったことによる罰則は科されないとDAFFは案内しています。
品物ごとの条件はBICONで確認する
食品の持ち込み条件は、原材料、原産国、製造方法、包装、数量によって異なり、内容が変更されることもあります。
渡航前に、DAFFの「Passenger and mail enquiry」または「BICON」で商品名や原材料を確認してください。掲載されていない商品や、判断が難しい商品は、入国カードで「Yes」を選び、到着後に検疫官へ確認しましょう。
参照元
・Department of Agriculture, Fisheries and Forestry「Bringing or mailing goods to Australia」
・Department of Agriculture, Fisheries and Forestry「Travelling or returning to Australia (Japanese)」
・Australian Border Force「Bring without declaring」 ―― 条件を満たせば申告不要となる菓子などの例。
・Department of Agriculture, Fisheries and Forestry「International travel」 ―― 申告後の検査、処理、返送、廃棄と罰則の扱い。
・Department of Agriculture, Fisheries and Forestry「BICON」 ―― 品目ごとの最新の輸入条件。
オーストラリア入国カードの裏面の書き方
入国カードの裏面には、オーストラリアに到着する便へ搭乗した国、現地の連絡先、緊急連絡先、職業、国籍、生年月日、滞在予定期間、居住国、渡航目的などを英語で記入します。
また、A・B・Cのうち、自分に該当する区分を1つ選びます。ABFの公式様式では、旅行者や留学生などの一時滞在者はBに分類されています。
In which country did you board this flight or ship?
オーストラリアへ到着する飛行機または船に、実際に乗った国を英語で記入します。
日本からの直行便なら「JAPAN」です。シンガポールなどで乗り継いだ場合は、旅程の最初の出発国ではなく、オーストラリア行きの最後の便に搭乗した国を書きます。公式カードも「この便または船に搭乗した国」を尋ねています。
| 旅程 | 記入例 |
|---|---|
| 日本からシドニーへの直行便 | JAPAN |
| 日本からシンガポール経由でシドニー | SINGAPORE |
| 日本から香港経由でメルボルン | HONG KONG |
| 日本から台北経由でブリスベン | TAIWAN |
Your contact details in Australia
オーストラリア滞在中に、あなたに連絡できる情報を記入します。
現行の公式カードには、次の欄があります。
- Phone:電話番号
- E-mail:メールアドレス
- Address:住所
- State:州名
カードは、**電話番号に加えて「メールアドレス」または「住所・州名」**を記入する形式です。メールアドレスと住所の間には「OR」と表示されています。
オーストラリアの携帯電話番号をまだ持っていない場合は、最初に滞在するホテル、ホームステイ先、学生寮などの連絡先を事前に確認しておきましょう。自分のメールアドレスを書く場合は、渡航中も確認できるものを使用します。
記入例
Phone: +61 2 1234 5678
E-mail: taro@example.com
または、
Phone: +61 2 1234 5678
Address: HOTEL ABC, 123 GEORGE ST, SYDNEY
State: NSW
Emergency contact details(Family or friend)
緊急時の連絡先について記入します。
事故や病気などの緊急時に連絡してほしい家族や友人の情報を記入します。
公式カードには、次の欄があります。
- Name:氏名
- E-mail:メールアドレス
- Phone:電話番号
- Mail address:郵送先住所
氏名に加え、メールアドレス、電話番号、郵送先住所のうち、連絡可能な情報を記入します。緊急連絡先はオーストラリア在住者に限定されていないため、日本にいる家族、保護者、配偶者、親族、友人などを記入できます。
日本の電話番号を国際形式で書く場合は、国番号「+81」を付け、先頭の「0」を省きます。
記入例
Name: HANAKO YAMADA
E-mail: hanako@example.com
Phone: +81 90 1234 5678
What is your usual occupation?
普段の職業や立場を英語で記入します。会社名や学校名ではなく、職業名を書く欄です。
| 日本語 | 記入例 |
|---|---|
| 学生 | STUDENT |
| 会社員・事務職 | OFFICE WORKER |
| 営業職 | SALES |
| エンジニア | ENGINEER |
| 看護師 | NURSE |
| 教師 | TEACHER |
| 自営業 | SELF-EMPLOYED |
| 無職 | UNEMPLOYED |
| 主婦・主夫 | HOMEMAKER |
| 退職者 | RETIRED |
会社員の場合は、可能であれば「SALES」「ACCOUNTANT」「ENGINEER」など、実際の仕事を具体的に書くと分かりやすくなります。
Nationality as shown on passport
パスポートの国籍欄に記載されている内容を、そのまま英語で転記します。
「JAPANまたはJAPANESEのどちらでもよい」と自己判断するのではなく、手元のパスポート表記を確認してください。
記入例
JAPAN
公式カードの質問は「Nationality as shown on passport」、つまり「パスポートに記載されている国籍」です。
Date of birth
生年月日を記入します。
生年月日は、次の順番で記入します。
日/月/年
日本で一般的な「年/月/日」と順番が異なるため、注意してください。公式カードにも「Day・Month・Year」の順で欄が設けられています。
2000年4月5日生まれの場合は、次のように書きます。
05 / 04 / 2000
A・B・Cの該当項目
裏面では、A・B・Cのうち、自分に該当する項目を1つ選びます。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| A | オーストラリアへ永住目的で移住する人 |
| B | 旅行者または一時入国者 |
| C | オーストラリアへ戻る居住者 |
A:Migrating permanently to Australia
永住目的でオーストラリアへ移住する人が選びます。
観光、留学、ワーキングホリデーなどの一時滞在は、通常Aには該当しません。
B:Visitor or temporary entrant
旅行者または一時入国者が選びます。
次のような渡航者は、通常Bに該当します。
- 観光旅行者
- 留学生
- ワーキングホリデー渡航者
- 出張者
- 一時的な就労ビザで入国する人
- 家族や友人を訪問する人
Bを選んだ場合は、次の項目も記入します。
- Your intended length of stay in Australia:滞在予定期間
- Your country of residence:居住国
- Your main reason for travel:主な渡航目的
滞在予定期間は、年・月または日数で記入します。
6か月滞在する場合
Years: 0
Months: 6
14日間滞在する場合
Days: 14
居住国は国籍ではなく、渡航前に普段生活していた国です。日本に住んでいる場合は「JAPAN」と記入します。
C:Resident returning to Australia
オーストラリアを生活の拠点としており、海外から戻る居住者が選びます。
Cを選んだ場合は、海外滞在中に最も長く滞在した国を記入します。初めて観光・留学・ワーキングホリデーで入国する人は、通常Cには該当しません。
Your main reason for travel
主な渡航目的についてです。
今回の渡航で最も重要な目的を、次の8項目から1つだけ選びます。公式カードにも「X one only」と明記されています。
| 英語 | 日本語 |
|---|---|
| Convention / conference | 大会・会議 |
| Business | 商用・出張 |
| Visiting friends or relatives | 友人・親族訪問 |
| Employment | 就職・就労 |
| Education | 教育・留学 |
| Exhibition | 展示会 |
| Holiday | 観光・休暇 |
| Other | その他 |
語学学校、大学、TAFEなどで学ぶことが主目的なら「Education」、観光なら「Holiday」、就労そのものが主目的なら「Employment」を選びます。
ワーキングホリデーの場合

入国カードには、ワーキングホリデー専用の選択肢はありません。
Home Affairsは、ワーキングホリデー制度を「12か月間の休暇を過ごし、その間に短期就労や就学ができる制度」と説明しています。そのため、一般的なワーキングホリデーで、休暇や旅行を中心に滞在する場合は「Holiday」が自然です。
ただし、実際の主目的に応じて、次のように判断します。
| 主な予定 | 選択の目安 |
|---|---|
| 旅行や滞在体験が中心 | Holiday |
| 語学学校への通学が中心 | Education |
| すでに仕事が決まり、就労が中心 | Employment |
迷った場合は、ビザの名称だけで決めるのではなく、入国審査で説明する実際の渡航目的と一致するものを1つ選びましょう。
申告しないとどうなる?罰金・ビザ取消の可能性

オーストラリア入国時に、申告が必要な品物を申告しなかったり、入国カードや検査官への回答で虚偽・誤解を招く情報を伝えたりすると、重い処分を受ける可能性があります。
DAFFによると、次のような行為が問題になります。
- 入国カードに虚偽または誤解を招く内容を書く
- 重要な情報を省き、誤解を招く回答をする
- 検査官からの質問に正しく答えない
- 品物を隠す
- 検査官の指示に従わない
違反が疑われる場合は、違反通知、民事上の制裁手続き、刑事訴追の対象になる可能性があります。
空港で科される可能性がある違反通知
オーストラリアの連邦法では、罰金額を「penalty unit(ペナルティユニット)」という単位で計算します。
2026年7月1日から、1 penalty unitは364豪ドルです。空港での違反通知額は、違反内容や品物のリスクによって異なります。
| 違反通知 | 金額 | 主なケース |
|---|---|---|
| 2 penalty units | AUD728 | 未申告、虚偽・誤解を招く回答、質問や指示への不履行など |
| 6 penalty units | AUD2,184 | 高い検疫リスクがある品物の未申告 |
| 12 penalty units | AUD4,368 | より高い検疫リスクがある品物の未申告 |
| 20 penalty units | AUD7,280 | 品物を発見されないよう隠すなどの行為 |
高リスク品の種類によって、6または12 penalty unitsが適用されます。条件付きで持ち込み可能な品物を、発見や内容確認を避ける目的で隠した場合は、20 penalty units、つまり最大AUD7,280の違反通知を受ける可能性があります。
なお、違反通知は、違反の疑いに対して交付されるものであり、刑事上の有罪判決そのものではありません。期限内に支払わない場合などには、裁判所で民事制裁を求める手続きが行われる可能性があります。裁判所が科す可能性のある制裁額は、違反通知の金額より高くなる場合があります。
ビザが取り消される可能性もある
ビザを利用してオーストラリアへ入国する旅行者が空港で違反通知を受けた場合、DAFFからABFへ照会され、ビザ取消の審査対象になる可能性があります。
ビザが取り消された場合は、オーストラリアへの入国を拒否され、最長3年間、再入国できない可能性があります。必ず取り消されるわけではありませんが、未申告の内容や事情によって判断されます。
正しく申告すれば、持ち込み禁止品でも罰則は科されない
食品、植物、動物製品などを持っている場合でも、入国カードで正しく申告し、検査官へすべて提示すれば、持ち込み不可と判断されたことだけを理由に、Biosecurity Act 2015に基づく罰則を科されることはありません。
申告した品物は検査官が確認し、持ち込み条件を満たしていれば返却されます。持ち込みが認められない場合は、次のいずれかの対応になることがあります。
- 費用を払って処理・消毒する
- 費用を払ってオーストラリア国外へ返送する
- 品物を放棄して廃棄する
申告したからといって、必ず没収や罰金になるわけではありません。低リスクと判断された品物は、検査後に返却されることもあります。
まとめ|オーストラリア留学ならブリスベン留学.com
オーストラリア入国カードは、氏名や滞在先だけでなく、食品・薬・現金などを申告する重要書類です。2026年7月時点では、多くの渡航者が紙のカードを英語で両面記入します。判断に迷う品物は「Yes」で申告し、滞在先住所や薬の書類を事前に準備しておきましょう。
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