英語圏への留学や移住で将来の永住権を目指す場合、2026年時点で簡単に取得できる国はありません。
可能性は年齢や英語力、職歴、現地就労経験などにより大きく変わります。本記事では、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、アイルランド、イギリス、アメリカの6か国を対象に、留学や就労後に永住を目指せる主なルートを比較・解説します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。永住権やビザの可否を判断する法的助言ではありません。制度は随時変更されるため、申請時には各国政府や資格を持つ専門家へ最新情報をご確認ください。
永住ルートを比較しやすいのはカナダ・オーストラリア・ニュージーランド

英語圏の中で、留学や現地就労から永住までの道筋を比較しやすいのは、主に次の3か国です。
- カナダ
- オーストラリア
- ニュージーランド
この3か国では、学歴、英語力、専門職としての経験、現地就労、州や地域からの推薦などを評価する制度が公開されています。
ただし、順位が高い国ほど、すべての人にとって永住権を取得しやすいという意味ではありません。
たとえば、医療や建設分野の職歴がある人にはニュージーランドが合う可能性がある一方、カナダでの就労経験がある人にはCanadian Experience Classが適している場合があります。
オーストラリアでも、職業リストに該当する職歴や資格があり、英語力とポイントを確保できる人は、留学をせずに技術移民を検討できる可能性があります。
重要なのは「どの国が一番簡単か」ではなく、「自分の経歴がどの国の制度と合っているか」です。

英語圏6か国の永住ルート比較
| 国 | 主な永住・定住ルート | 向いている人 | 主な難関 |
|---|---|---|---|
| カナダ | Express Entry、Canadian Experience Class、PNP | カナダで専門職の就労経験を積める人 | CRSスコア、招待、州ごとの条件 |
| オーストラリア | 189、190、491、雇用主スポンサー | 職業リストに合う資格・職歴を作れる人 | 職業査定、英語、ポイント、招待 |
| ニュージーランド | Straight to Residence、Work to Residence、SMC | Green List対象職種や技術職の人 | 対象職種、認定雇用主、就労期間 |
| アイルランド | Critical Skills Employment Permit、Stamp 4 | IT、医療、エンジニアなどの専門職 | 対象職種での雇用先確保 |
| イギリス | Skilled Worker visaからILR | スポンサー企業へ就職できる人 | スポンサー、給与、英語要件 |
| アメリカ | Employment-Based、Family-Based、DVなど | 高度人材、雇用主・家族スポンサーがある人 | 雇用主依存、待ち時間、カテゴリー条件 |
「永住権を取りやすい国」を判断する5つの条件

国別ランキングを見る前に、次の5点を確認することが重要です。
1. 自分の職種が制度の対象になるか
多くの英語圏では、人材が不足している職種や専門性の高い職種が優先されます。
代表的な分野は、看護、医療、教育、エンジニアリング、IT、建設、介護、チャイルドケアなどです。
ただし、同じ職種名でも、必要な資格や実務内容は国によって異なります。
2. 現地で専門職として働けるか
「現地で働いた経験」が評価される制度は多いものの、飲食店や小売店で働けば、どの仕事でも永住に有利になるわけではありません。
制度上評価される職種区分に該当する仕事内容か、フルタイム相当の就労か、必要な期間を満たしているかなどが確認されます。
3. 英語力を証明できるか
永住系の制度では、IELTS、PTE、CELPIPなどの試験結果が必要になることがあります。
英語力は申請資格を満たすためだけでなく、ポイント制における加点や、専門職登録、学校への入学にも影響します。
オーストラリア留学や永住を検討している人は、IELTSの種類・必要スコア・対策方法も確認しておきましょう。
4. 雇用主に依存する制度か
イギリスやアイルランド、アメリカの一部ルートでは、対象となる雇用主から仕事を得ることが大きな条件になります。
一方、カナダやオーストラリアでは、雇用主スポンサー以外にも、ポイント制や州推薦を利用できる可能性があります。
5. 年齢やポイントの影響を受けるか
オーストラリアやカナダでは、年齢がスコアに影響します。
そのため、将来的に永住を目指す場合は、数年後に申請条件を調べるのではなく、留学前から卒業時の年齢、英語スコア、職歴まで逆算することが大切です。
カナダ|現地の専門職経験を永住申請につなげやすい

カナダでは、専門職人材向けの永住制度としてExpress Entryが利用されています。
Express Entryでは、次の3つのプログラムが管理されています。
- Canadian Experience Class
- Federal Skilled Worker Program
- Federal Skilled Trades Program
中でも、カナダ国内で一定のskilled work experienceを積んだ人が対象となるCanadian Experience Classは、留学後の就労から永住を検討する際に注目される制度です。
また、各州や準州が必要な人材を推薦するProvincial Nominee Programもあります。
Express Entryと連携した州推薦を得た場合は、ランキングシステム上で大きな加点を受けられるため、永住申請への招待に近づく可能性があります。
カナダが合いやすい人
- カナダの大学やカレッジから現地就職を目指す人
- IT、医療、教育、技術職などの経験を作れる人
- 英語だけでなくフランス語も伸ばせる人
- 州ごとの移民制度を比較できる人
カナダの注意点
カナダで学校を卒業したり、ワーキングホリデーで働いたりしただけで、自動的に永住権を取得できるわけではありません。
候補者は年齢、学歴、語学力、職歴、カナダでの経験などによって順位づけされます。
学校選びだけでなく、卒業後にどの職種で働くかまで考える必要があります。
オーストラリア|職業リスト・英語・地域を組み合わせて考える

オーストラリアの技術移民では、SkillSelectを通じてEOIを提出し、招待を受けて申請する制度があります。
代表的なビザは次のとおりです。
- Skilled Independent visa(subclass 189)
- Skilled Nominated visa(subclass 190)
- Skilled Work Regional visa(subclass 491)
subclass 189は州推薦を必要としない技術移民ビザ、subclass 190は州またはテリトリーの推薦を受ける永住ビザです。
subclass 491は地方・指定地域での居住や就労を前提とする暫定ビザで、条件を満たすことで将来の永住ビザにつながる可能性があります。
オーストラリアの技術移民を理解するには、まずオーストラリア永住権の主な種類と条件を確認しておくと全体像をつかみやすくなります。
オーストラリアで特に重要な4項目
- 希望する職業が対象リストに含まれるか
- 職業査定を通過できる学歴・職歴があるか
- 英語力とポイントを確保できるか
- 州推薦や地方ルートを利用できるか
オーストラリアでは、最低ポイントを満たしただけで申請できるとは限りません。EOIを提出した後、招待を受ける必要があります。
対象職種や州推薦の条件は変わるため、留学前にはオーストラリアの職業リストから進路を考える方法も確認しましょう。
オーストラリアが合いやすい人
- 留学から専門職や技術職へ進みたい人
- 英語スコア対策を継続できる人
- 学歴と将来の職種を一致させられる人
- ブリスベン以外の地方・指定地域も検討できる人
- 州推薦条件の変化に対応できる人
オーストラリアの注意点
ワーキングホリデーは、オーストラリア生活や仕事を経験する方法としては有効ですが、それだけで永住権へ直結する制度ではありません。
永住を視野に入れる場合は、ワーホリ終了後に何を学び、どの資格を取得し、どの職種で働くかまで決めておく必要があります。
ブリスベン留学から永住を考える場合の進路設計
オーストラリアは、すべての人にとって最も永住しやすい国ではありません。
一方で、TAFE、専門学校、大学、大学院などの選択肢が多く、留学から専門資格や現地就職を目指す進路を設計しやすい国です。
ブリスベン留学から将来の永住を考える場合は、次の順番で検討します。
ステップ1|将来働きたい職種を決める
学校名や学費から選ぶのではなく、卒業後にどの職種で働きたいかを先に決めます。
たとえば、次のような分野があります。
- IT・サイバーセキュリティ
- 看護・医療
- 幼児教育・チャイルドケア
- 調理・ホスピタリティ
- 建設・大工・自動車整備
- エンジニアリング
- ソーシャルワーク
IT分野を検討している人は、IT留学からオーストラリア永住権を目指す考え方も参考にしてください。
ステップ2|職業査定につながるコースを選ぶ
同じ分野のコースでも、すべてが職業査定や卒業後の就労ビザにつながるとは限りません。
学校を選ぶ際は、コース名だけでなく、次の項目を確認します。
- 資格レベル
- コース期間
- CRICOS登録期間
- 実習の有無
- 職業査定機関の要件
- 卒業後に想定される職種
- 卒業生ビザとの整合性
実務型のコースを検討している人は、TAFEからオーストラリア永住権を目指す場合のコース選びも確認しましょう。
ステップ3|英語力と就労経験を積み上げる
学校への入学に必要な英語力と、技術移民や専門職登録で評価される英語力は異なる場合があります。
入学条件を満たした時点で英語学習を終えるのではなく、卒業後の職業査定やポイント加算まで見据えて対策することが重要です。
また、卒業後は資格に関連する仕事を探し、制度上評価される就労経験を積む必要があります。
職種別の関連記事
チャイルドケア分野を検討している人は、チャイルドケアから永住権を目指す留学・就労ルートをご確認ください。
調理分野を検討している人は、クッカリー留学から永住権を目指す流れも参考になります。

ニュージーランド|Green List対象職種ならルートを判断しやすい

ニュージーランドでは、Green Listに掲載されている職種を中心に、永住につながるルートが用意されています。
主な制度は次の2つです。
- Tier 1職種を対象としたStraight to Residence Visa
- Tier 2職種を対象としたWork to Residence Visa
Straight to Residence Visaでは、Green List Tier 1の対象職種で、認定雇用主から仕事や内定を得ていることなどが求められます。
年齢は55歳以下が基本となり、英語、健康、人物要件なども満たす必要があります。
Tier 2職種では、対象となる仕事に就いたうえで、通常は一定期間の関連就労経験を積んでから居住ビザを申請します。
また、2026年8月24日からはSkilled Migrant Category Resident Visaの変更が予定されています。
新たなskilled work experience pathwayやtrades and technician pathwayが公表されているため、申請時期が制度変更前後に重なる人は、最新条件を確認してください。
ニュージーランドが合いやすい人
- Green List対象職種の経験や資格がある人
- 医療、教育、建設、IT、エンジニアなどを目指す人
- 認定雇用主から専門職の仕事を得られる人
- ニュージーランドで長く働く意思がある人
ニュージーランドの注意点
暮らしやすさや自然環境と、永住権の取得しやすさは別の問題です。
対象職種に該当しない場合、就労ビザを取得できても、その後の居住ビザまで明確につながらないケースがあります。
アイルランド|専門職として就職できる人向け

アイルランドでは、Critical Skills Employment Permitが専門職人材向けの代表的な就労許可です。
対象職種はCritical Skills Occupations Listに掲載されており、IT、エンジニアリング、医療などの分野が中心です。
一定の条件を満たして就労許可の期間を終えた後は、雇用許可を必要とせずに居住・就労できるStamp 4への変更を検討できる場合があります。
また、雇用許可保持者として合法的に一定期間居住している人は、Long Term Residencyを申請できる可能性があります。
アイルランドが合いやすい人
- IT、医療、エンジニアなどの経験者
- ヨーロッパで英語を使って働きたい人
- 対象職種で雇用先を見つけられる人
アイルランドの注意点
アイルランドは、留学期間そのものよりも、卒業後に対象職種の仕事を得られるかが重要です。
語学留学や一般的な就学だけで、永住への道筋が確保されるわけではありません。
イギリス|スポンサー企業での継続就労が重要

イギリスでは、永住に相当する資格としてIndefinite Leave to Remainがあります。
Skilled Worker visaで一定期間就労し、条件を満たした場合、通常は5年後にILRを申請できる可能性があります。
ただし、Skilled Worker visaを取得するには、スポンサーライセンスを持つ雇用主から対象職種の仕事を得る必要があります。
職種に応じた給与条件や英語条件も設定されています。
イギリスが合いやすい人
- スポンサー企業から内定を得られる人
- 対象職種で長期的に働ける人
- 給与・英語・居住期間の条件を維持できる人
イギリスの注意点
大学を卒業しただけでILRへ進めるわけではありません。
卒業後にSkilled Worker visaの対象となる仕事を得て、継続して条件を満たすことが必要です。
アメリカ|ルートは多いが一般化しにくい

アメリカの永住権、いわゆるグリーンカードには、複数のカテゴリーがあります。
雇用を基準とするEmployment-Based Green Cardでは、EB-1からEB-5までの区分があります。
ほかにも、家族スポンサーやDiversity Visaなどのルートがあります。
ただし、雇用主、専門性、学歴、家族関係、投資額、国別の待ち時間などの影響が大きく、日本人にとって一律に「取りやすい」とは言えません。
アメリカが合いやすい人
- 米国企業からスポンサーを得られる人
- 研究者、高度専門職、経営者などの実績がある人
- 家族スポンサーなど別の条件に該当する人
アメリカの注意点
アメリカ留学の魅力と、永住権の取得しやすさは分けて考える必要があります。
卒業後に就労できても、そのまま自動的にグリーンカードへ変更できる制度ではありません。
目的別に選ぶ英語圏の候補
| 目的・経歴 | 比較したい国 |
|---|---|
| 留学後の専門職経験を評価してほしい | カナダ、オーストラリア |
| Green Listに該当する職種がある | ニュージーランド |
| ITや医療の実務経験がある | カナダ、アイルランド、ニュージーランド、オーストラリア |
| TAFEや専門学校から技術職を目指したい | オーストラリア |
| スポンサー企業から内定を得られる | イギリス、アイルランド、アメリカ |
| 州や地域を柔軟に選べる | カナダ、オーストラリア |
| これから専攻や職種を決めたい | オーストラリア、カナダ |
永住を目指すなら「国」より「職業」から考える
永住権を検討する人は、最初に住みたい国や都市を選びがちです。
しかし、実際には国より先に、将来どの職業で働くかを考える方が進路を組み立てやすくなります。
英語圏の技術移民や就労系の制度では、次の項目が共通して重視されます。
- 人材が不足している職種か
- 学歴と職歴が一致しているか
- 現地で雇用される専門性があるか
- 英語力を証明できるか
- 必要な資格や職業登録があるか
「海外に住みたい」という希望だけで学校を選ぶと、卒業後に対象職種へ進めず、永住ルートが見つからない場合があります。
反対に、将来の職種から逆算してコースを選べば、複数の国を比較できるようになります。
よくある質問

英語圏で一番永住権を取りやすい国はどこですか?
一般的な比較では、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが候補になります。
ただし、実際の取得可能性は年齢、職歴、英語力、学歴、職種、現地就労経験によって異なります。
自分の職種がどの制度の対象になっているかを確認することが重要です。
ワーキングホリデーから永住権を取得できますか?
ワーキングホリデーだけで永住権が取得できるわけではありません。
ただし、現地での生活や仕事を経験し、その後に進学、資格取得、専門職への就職などを行うことで、別の永住ルートを検討できる場合があります。
留学すれば永住権を取りやすくなりますか?
対象職種につながる専攻を選び、卒業後に関連する仕事へ進める場合は、留学が永住ルートの準備になる可能性があります。
一方、永住制度と関係のないコースを卒業しても、永住申請に有利になるとは限りません。
英語力はどのくらい必要ですか?
必要な英語力は、国、ビザ、職種、職業査定機関によって異なります。
学校の入学条件よりも高いスコアが、技術移民のポイントや専門職登録で必要になる場合があります。
オーストラリアは永住権を取りやすい国ですか?
誰にとっても取りやすい国ではありませんが、職業リスト、職業査定、ポイント制、州推薦などの制度が公開されており、計画を立てやすい国です。
特に、専攻、職種、英語力、地域を早い段階から組み合わせて考えられる人に向いています。
まとめ|オーストラリアの永住権取得を目指した留学ならブリスベン留学ドットコム

英語圏で永住権を目指す場合、単純に「永住権が取りやすい国ランキング」だけで留学先を決めるのはおすすめできません。
比較しやすい候補は、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアです。
カナダではExpress EntryやPNP、ニュージーランドではGreen ListやSkilled Migrant Category、オーストラリアではSkillSelectや州推薦などが利用されています。
ただし、どの制度でも重要になるのは、英語力、学歴、職歴、専門性、現地での雇用です。
オーストラリアやブリスベン留学で迷ったら、ブリスベン留学ドットコムへ。
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主な参照先:
- Canada.ca「Express Entry」
- Canada.ca「Canadian Experience Class」
- Canada.ca「Provincial Nominee Program」
- Australian Department of Home Affairs「SkillSelect」
- Australian Department of Home Affairs「Skilled Independent visa subclass 189」
- Australian Department of Home Affairs「Skilled Nominated visa subclass 190」
- Immigration New Zealand「Green List pathway to residence」
- Immigration New Zealand「2026 changes to the Skilled Migrant Category」
- Ireland Department of Enterprise「Critical Skills Employment Permit」
- GOV.UK「Skilled Worker visa」
- USCIS「Green Card for Employment-Based Immigrants」

