オーストラリアでは、普段の買い物をデビットカードやスマートフォン決済で済ませる人が多い一方、シェアハウスの初期費用やマーケットでの買い物など、現金が必要になる場面もあります。
特にブリスベンへ到着したばかりの時期は、ATMに表示される「Withdraw」「Savings」「Cheque」「Credit」などの英語を見て、どれを選べばよいのか迷う人も少なくありません。
この記事では、オーストラリアのATMの使い方、画面に表示される英語、手数料の仕組み、安全に利用するための注意点を、留学生・ワーホリ向けに分かりやすく解説します。
現地銀行の口座をまだ持っていない人は、先にオーストラリアの銀行口座開設方法も確認しておきましょう。
オーストラリアのATMでできること

オーストラリアの主要銀行が設置しているATMでは、現金の引き出しだけでなく、さまざまな取引ができます。
主な機能は次のとおりです。
| 英語表示 | 日本語の意味 | 主な用途 |
|---|---|---|
| Withdraw / Withdrawal | 引き出し | 口座から現金を下ろす |
| Balance / Balance enquiry | 残高照会 | 現在の口座残高を確認する |
| Deposit | 入金 | 紙幣や小切手を口座へ入れる |
| Transfer | 振替 | 自分の口座間でお金を移す |
| Change PIN | PIN変更 | カードの暗証番号を変更する |
| Mini statement | 簡易明細 | 最近の取引履歴を確認する |
| Receipt | レシート | 取引内容を紙で受け取る |
ATMによって利用できる機能は異なります。特に、現金や小切手の入金、硬貨の取り扱い、カードを使わない取引などは、対応しているATMが限られます。
留学生やワーホリの人は、まず「Withdraw」「Balance」「Receipt」の3つを覚えておけば、日常的なATM利用には対応できます。
オーストラリアのATMで現金を引き出す手順
銀行やATMの機種によって画面表示は少し異なりますが、現金を引き出す流れはおおむね共通しています。
1.カードを挿入またはタップする
ATMのカード挿入口へカードを入れます。
一部のATMでは、非接触決済に対応したカードやスマートフォンをタップして利用できる場合もあります。
カードを挿入する前に、カード挿入口に不自然な部品が取り付けられていないか確認しましょう。
2.PINを入力する
カードに設定している暗証番号を入力します。
オーストラリアでは、暗証番号を「PIN(Personal Identification Number)」と呼びます。
入力するときは、周囲から見られないよう、反対の手や財布でキーパッドを隠してください。
PINを何度も間違えると、カードが一時停止されたり、ATMに取り込まれたりする可能性があります。番号が分からない場合は、推測で入力を続けず、銀行アプリやカード会社へ確認しましょう。
3.WithdrawまたはWithdrawalを選ぶ
取引内容の選択画面が表示されたら、「Withdraw」または「Withdrawal」を選びます。
どちらも「現金を引き出す」という意味です。
4.口座タイプを選ぶ
続いて、次のような口座タイプが表示されます。
- Savings
- Cheque
- Credit
どれを選ぶかは、利用する口座やカードによって異なります。詳しい違いは後ほど解説します。
5.引き出す金額を指定する
画面に表示された金額を選ぶか、「Other amount」などを選択して希望金額を入力します。
ATMの機種や現金の在庫状況によっては、希望した金額を引き出せないことがあります。
また、少額の買い物で高額紙幣を使うと、お店によっては受け取りを断られる可能性があります。日常生活で使う場合は、A$20札やA$50札を中心に引き出すと便利です。
6.手数料と金額を確認する
他行ATMや独立系ATM、日本発行カードなどを使うと、取引確定前に手数料が表示される場合があります。
画面に表示された手数料を確認し、問題がなければ「Accept」「Continue」「Confirm」などを選択します。
手数料が高いと感じた場合は、確定前に「Cancel」を押して、別のATMを探すこともできます。
7.レシートの有無を選ぶ
「Would you like a receipt?」などと表示されたら、レシートが必要かどうかを選びます。
初めて利用するATMや、高額の引き出しを行う場合は、レシートを受け取っておくと安心です。
8.カードと現金を受け取る
取引が完了したら、カード、現金、レシートを受け取ります。
ATMによっては、カードが先に返却され、その後に現金が出てくることがあります。反対に、現金を受け取った後でカードが戻る機種もあります。
ATMを離れる前に、次の4点を確認しましょう。
- カード
- 現金
- レシート
- 財布やスマートフォン
Savings・Cheque・Creditはどれを選ぶ?
オーストラリアのATMで最も迷いやすいのが、口座タイプの選択です。
| 表示 | 主な意味 | 選択する可能性があるカード |
| Savings | 貯蓄口座・普通預金口座 | 現地銀行のデビットカード |
| Cheque | 日常決済用口座 | 現地銀行の取引口座 |
| Credit | クレジットカードの国際ネットワーク | 日本発行のクレジットカードや一部デビットカード |
現地銀行のデビットカードを使う場合
オーストラリアで開設した日常用口座から現金を引き出す場合は、一般的に「Savings」または「Cheque」を選びます。
ただし、正しい選択肢は銀行や口座の設定によって異なります。
初めてATMを利用する前に、銀行アプリに表示されている口座名や、口座開設時にもらった案内を確認してください。
判断できない場合は、支店内のATMを利用し、銀行スタッフに確認する方法が安全です。
日本発行のカードを使う場合
日本で発行されたクレジットカードや、海外ATM対応のデビットカードでは、「Credit」を選ぶことがあります。
ここで表示される「Credit」は、必ずしも分割払いや後払いを選ぶという意味ではありません。VisaやMastercardなどの国際ブランドのネットワークを通して取引するための選択肢として表示される場合があります。
ただし、クレジットカードで現金を引き出すと、海外キャッシングとして扱われる可能性があります。
利用前に、カード会社の公式情報で次の項目を確認しましょう。
- 海外ATMを利用できるか
- 海外キャッシング枠が設定されているか
- PINは何番か
- 1日当たりの利用限度額
- ATM利用手数料
- キャッシングの利息
- 返済方法
カードによって条件が異なるため、「日本のカードなら必ずCredit」とは限りません。最終的には、カード発行会社の案内に従ってください。
ATMでかかる手数料は3種類
オーストラリアのATM手数料は、次の3種類に分けて考えると分かりやすくなります。
| 手数料 | 発生する主な場面 | 確認する場所 |
| ATM設置者の手数料 | 独立系ATMや対象外の他行ATMを使う場合 | ATMの確認画面 |
| カード発行会社の手数料 | 日本発行カードや海外ATMを利用する場合 | 銀行・カード会社の公式サイト |
| 為替・国際取引手数料 | 日本円の口座から豪ドルを引き出す場合 | カード会社の利用条件 |
現地銀行カードの場合
オーストラリアの銀行が発行したデビットカードでは、自行ATMや対象となる主要銀行ATMを使うことで、ATM利用手数料がかからない場合があります。
一方、コンビニ、バー、観光地などに設置されている独立系ATMでは、手数料が表示されることがあります。
「現地のカードだから、どのATMでも無料」とは限りません。取引を確定する前に、画面の表示を確認しましょう。
日本発行カードの場合
日本発行カードでは、現地ATMの手数料に加えて、日本側のカード会社から次の費用が請求される可能性があります。
- 海外ATM利用手数料
- 海外キャッシング手数料
- キャッシング利息
- 国際取引手数料
- 為替換算に含まれるコスト
ATM画面に手数料が表示されなくても、日本側で費用が発生する場合があります。
出発前に、手持ちのカードを「買い物用」「ATM用」「緊急時の予備用」に分けておくと安心です。
日本円と豪ドルのどちらを選ぶ?
海外カードを利用すると、ATM画面に次のような選択肢が表示されることがあります。
- Charge in AUD
- Charge in JPY
- With conversion
- Without conversion
ATM側で日本円の金額を提示して決済する仕組みは、DCC(Dynamic Currency Conversion)と呼ばれます。
日本円を選ぶと、その場で日本円の請求額を確認できますが、ATM側が設定した為替レートや上乗せが適用される場合があります。
一般的には、現地通貨である「AUD」を選び、カード会社側の換算に任せた方が、為替条件を比較しやすくなります。
ただし、実際にどちらが有利かはカード会社の手数料やレートによって異なります。画面に表示された為替レートと最終請求額を確認して判断してください。
ATMの引き出し限度額
1日に引き出せる金額は、次の条件によって変わります。
- 利用する銀行
- カードの種類
- 口座の設定
- ATM側の上限
- ATM内の現金の在庫
- カード会社側の海外利用限度額
銀行によっては、アプリやオンラインバンキングから日次限度額を変更できます。
高額な現金が必要になった場合でも、限度額を引き上げたままにすると、不正利用時の被害が大きくなる可能性があります。必要な取引が終わったら、限度額を元に戻すことも検討しましょう。
ATMで現金を入金できる?
主要銀行の一部ATMでは、現金や小切手を自分の口座へ入金できます。
ただし、すべてのATMが入金に対応しているわけではありません。ATM検索ページや銀行アプリで、次の表示があるATMを探しましょう。
- Deposit
- Smart ATM
- Cash deposit
- Coin deposit
多額の現金を初めて入金するときは、支店内にあるATMを利用すると安心です。
入金後は、銀行アプリで残高に反映されているか確認し、正常に反映されるまでレシートを保管してください。
スーパーで現金を受け取れるCash out
オーストラリアでは、スーパーや一部店舗で買い物をするときに、会計と一緒に現金を受け取れる「Cash out」を利用できる場合があります。
レジで次のように伝えます。
Can I get cash out?
希望金額も伝える場合は、次のように言えます。
Can I get 50 dollars cash out?
店舗やカードによって、対応の可否、上限額、手数料などが異なります。
ATMが近くにない場合の補助手段として覚えておくと便利ですが、必ず利用できるサービスではありません。
ブリスベンでATMを安全に利用するポイント

初めてATMを使うときは、ブリスベンCBDの銀行支店内や、営業時間中のショッピングセンター内など、人通りの多い場所を選びましょう。
夜間の路上や、人通りの少ない場所に設置されているATMは避けた方が安心です。
ATM利用時は、次の点を確認してください。
- PIN入力時にキーパッドを隠す
- カード挿入口に不自然な部品がないか確認する
- 後ろに近づきすぎている人がいないか確認する
- 見知らぬ人に操作を手伝わせない
- 手数料と引き出し金額を確認する
- カード、現金、レシートを受け取る
- 利用後に銀行アプリで履歴を確認する
- レシートをATM周辺に捨てない
銀行を名乗るSMSや電話が届いても、メッセージ内のリンクからログインしないようにしてください。
銀行が突然、オンラインバンキングのパスワードや認証コードを尋ねたり、資金を別の「安全な口座」へ移すよう指示したりすることはありません。
ATMでトラブルが起きた場合の対応

ATM利用時に問題が発生した場合は、慌てずに取引状況を記録しましょう。
| トラブル | 最初にすること | 記録しておく情報 |
| 現金が出ないのに残高が減った | 銀行またはカード会社へ連絡する | ATMの場所、時刻、金額 |
| カードが戻ってこない | ATMから離れず連絡する | ATM番号、設置場所 |
| 身に覚えのない出金がある | カードを停止する | 取引日時、金額、店舗名 |
| PINを忘れた | 入力を繰り返さず銀行へ確認する | カード情報 |
| 手数料が高い | 確定前なら取引をキャンセルする | 表示された手数料 |
| 入金が反映されない | レシートを保管して銀行へ連絡する | 入金額、時刻、ATM番号 |
支店内ATMの場合は、その場でスタッフへ相談してください。
日本発行カードの場合は、ATMを管理する銀行だけでなく、日本のカード発行会社への連絡も必要になることがあります。
カードを紛失した場合に備え、カード会社の海外連絡先をスマートフォンだけでなく、紙や別の端末にも保存しておきましょう。
到着直後は現金をいくら用意する?
ブリスベン到着直後は、すべての生活費を現金で持ち歩く必要はありません。
次の支払い方法を組み合わせると安全です。
- 少額の豪ドル現金
- 日本発行のクレジットカード
- 海外利用対応のデビットカード
- 現地銀行のデビットカード
- スマートフォン決済
シェアハウスへ入居する場合は、家賃やボンドなど、まとまった初期費用が必要になることがあります。
ただし、高額な現金を直接渡すのではなく、契約内容、支払先、領収書、ボンドの扱いを確認したうえで支払いましょう。住居探しについては、オーストラリアのシェアハウスについても参考にしてください。
また、オーストラリアへ多額の現金を持ち込む場合は、入国時の申告が必要になることがあります。申告項目については、オーストラリア入国カードの書き方で確認できます。
滞在期間別のATM・カードの使い分け
| 滞在方法 | おすすめの管理方法 |
| 到着直後 | 少額現金と日本カードを利用し、早めに現地口座を準備する |
| 短期留学 | 海外利用手数料の低いカードと少額現金を併用する |
| 3か月以上の留学 | 現地口座を開設し、デビットカードを生活の中心にする |
| ワーホリ | 給与受取用の現地口座を作り、主要銀行ATMを利用する |
| 大学・専門留学 | 学費用資金と日常生活費を別口座で管理する |
長期滞在の場合は、給与、家賃、携帯料金、交通費などを現地口座へまとめると、お金の流れを管理しやすくなります。
一方で、日本のカードは、現地カードの紛失や口座トラブルに備えた予備として保管しておきましょう。
渡航前に確認しておきたいこと
出発前に、次の項目を確認しておくと、現地でATMが使えないトラブルを減らせます。
- カードが海外ATMに対応しているか
- Visa、Mastercard、PLUS、Cirrusなどのマークがあるか
- 海外利用が有効になっているか
- ATM用のPINを覚えているか
- 海外キャッシング枠が設定されているか
- 1日当たりの利用限度額
- 海外ATM利用手数料
- 紛失・盗難時の連絡先
- カードの有効期限
- 渡航期間中にカード更新が発生しないか
渡航前には、ATM用カードだけでなく、ビザ申請料、学費、航空券、保険などの支払い方法も整理しておきましょう。ビザの種類や申請の流れは、オーストラリアのビザ申請方法で確認できます。
まとめ|ATMでは口座タイプ・手数料・カードの受け取りを確認する

オーストラリアのATMは、基本的な英語表示を理解しておけば、初めてでも難しくありません。
現金を引き出すときは、次の3点を特に確認しましょう。
- 自分のカードに合った口座タイプを選ぶ
- 取引確定前に手数料と通貨を確認する
- ATMを離れる前にカードと現金を確認する
長期留学やワーホリでは、ブリスベン到着後に現地銀行口座を開設し、現地デビットカードを生活の中心にすると、給与や生活費を管理しやすくなります。
ブリスベン留学ドットコムでは、学校選びや入学手続きだけでなく、渡航準備や現地生活を見据えた留学プランをご案内しています。
オーストラリア政府公認カウンセラーや、現地大学を卒業し永住権を取得したカウンセラーへの相談も可能です。長期になるほど費用を抑えやすいプランもあり、学校手配のサポート手数料は無料です(※一部規定あり)。
ATMや銀行口座を含め、ブリスベン到着後の生活に不安がある方は、渡航前から必要な手続きと支払い方法を整理しておきましょう。
主な参照先
- Commonwealth Bank「CommBank ATMs」
- NAB「ATM features, services and locations」
- ANZ「ANZ ATMs」
- Westpac「Accessing Money from an Australian Bank Account」
- MoneySmart「Transaction accounts and debit cards」
- Reserve Bank of Australia「Reform of the ATM System – One Year On」
- MoneySmart「Banking scams」
- Scamwatch「Report a scam」

