オーストラリアの学生ビザ(Subclass 500)申請では、留学生用医療保険「OSHC」の手配が原則義務付けられています。
ただし加入しても全医療費が無料になるわけではなく、受診内容や医療機関による自己負担、歯科・眼科・盗難など対象外の項目もあります。
本記事では豪政府の公式情報に基づき、OSHCの補償範囲や費用、保険会社の選び方、病院での使い方まで分かりやすく解説します。
なお、学生ビザの準備全体について、オーストラリアの申請方法も確認してください。

オーストラリアのOSHCとは?

また、OSHCは、オーストラリア滞在中の病気・けがに伴う医療費を一定範囲で補償する留学生向け保険です。
学生ビザの申請者本人だけでなく、ビザ申請に含まれる配偶者や子どもについても、家族構成に合ったOSHCを用意する必要があります。また、Home Affairsは、学生ビザ申請に含まれる全員をカバーするOSHCが必要と案内しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Overseas Student Health Cover |
| 主な対象 | 学生ビザでオーストラリアに留学する人と帯同家族 |
| 主な目的 | 病気・けがによる診察、検査、病院治療などの負担を軽減する |
| 加入期間 | 原則として学生ビザで滞在する期間全体 |
| 主な補償 | GP、専門医、一部の検査・病院治療、救急車、処方薬など |
| 対象外になりやすい項目 | 歯科、眼科、理学療法、盗難、賠償責任、旅行キャンセルなど |
OSHCは、医療費を一定範囲でカバーする保険であり、日本の海外旅行保険や留学保険と同じ商品ではありません。
日本人留学生にOSHCが必要な理由
オーストラリアにはMedicareという公的医療制度がありますが、原則としてオーストラリア国民、永住者、一部の対象者が利用する制度です。
オーストラリアは11か国と相互医療協定を結んでいますが、日本は対象国に含まれていません。そのため、日本から渡航する一般的な留学生は、Medicareを前提に医療費を準備することができません。 Cに加入していない状態で病院や救急車を利用すると、高額な医療費を自分で負担する可能性があります。さらに、OSHCの維持は学生ビザの条件にも関係するため、更新忘れや契約期間の空白を作らないことが重要です。

OSHCで補償される主な医療サービス
基本的なOSHCでは、次のような医療サービスが補償対象になります。
ただし、実際の給付額や自己負担額は、保険会社、契約プラン、医療機関、治療内容によって異なります。
GP・専門医の診察
オーストラリアで体調を崩したときは、まずGP(General Practitioner)と呼ばれる一般開業医を受診するのが一般的です。
GPが必要と判断した場合は、専門医、検査機関、病院などへの紹介状が発行されます。
基本的なOSHCでは、GPや専門医の診察費が全額または一部補償されます。ただし、医療機関の請求額が保険会社の給付基準を上回ると、差額を自己負担しなければなりません。
血液検査・レントゲン・手術
2026年5月に公開されたStudy Australiaの案内では、基本的なOSHCに次のサービスが含まれると説明されています。
- 血液検査
- レントゲン検査
- 一部の専門医診療
- 公立または私立病院での治療
- 手術
検査や手術であっても、すべての費用が無条件で全額補償されるわけではありません。専門医の診察料、病院設備費、麻酔費用などについて、別途自己負担が発生することがあります。 病院での治療・入院
公立病院または提携する私立病院での入院や治療が補償対象になることがあります。
公立病院を公的患者として利用する場合はOSHCで補償されることが一般的ですが、担当する専門医や治療内容によっては追加費用が発生します。
私立病院については、保険会社と病院が契約しているかどうかによって自己負担が大きく変わります。予定入院や手術の場合は、事前に保険会社へ次の点を確認しましょう。
- 利用予定の病院が提携先か
- 事前承認が必要か
- 医師や麻酔医の費用が含まれるか
- 自己負担額はいくらになるか
緊急時は、保険会社への確認を待たず、必要な医療を優先してください。
救急車
基本的なOSHCには、病院への緊急搬送など、医学的に必要な救急車費用が含まれます。
ただし、緊急性のない移動や、契約条件に該当しない利用については対象外となる場合があります。救急車の利用条件は、加入する保険会社の保険約款を確認してください。 処方薬
医師から処方された薬の一部についても、OSHCから給付を受けられます。
ただし、処方薬の補償には上限があります。PrivateHealth.gov.auの2026年8月4日時点の案内では、基本的な給付について次の上限が示されています。
- 1つの処方薬につき最大50豪ドル
- Single契約は年間最大300豪ドル
- Family契約は年間最大600豪ドル
高額な薬や長期間使用する薬では、大きな自己負担が生じる可能性があります。持病があり、継続的に薬を使用する人は、渡航前に薬の英語名、現地価格、補償条件を確認しましょう。 メンタルヘルスに関する診療
GPへの相談や、必要に応じて紹介される精神科医・心理士などのサービスが、条件付きで補償されることがあります。
心理士などの費用を請求するには、GPの紹介状やMental Health Treatment Planが必要になる場合があります。学校や大学が無料のカウンセリングサービスを提供していることもあるため、OSHCとあわせて利用できるサポートを確認しましょう。 OSHCを使っても自己負担になる「gap」とは?
OSHCを利用しても、医療費が全額戻らないことがあります。
保険会社が補償する基準額よりも、病院や医師の請求額が高かった場合、その差額をgap feeまたはout-of-pocket costと呼びます。
例えば、保険会社から80豪ドルが給付される診察に対して、クリニックが120豪ドルを請求した場合、差額の40豪ドルは自己負担です。
自己負担を抑えるには、次の方法があります。
- 保険会社の提携クリニックを利用する
- direct billing対応の医療機関を選ぶ
- 予約前に診察費を確認する
- 専門医や予定入院は事前に保険会社へ相談する
- 大学や学校内のヘルスサービスを確認する
Direct billingとは、医療機関が保険会社へ直接請求する仕組みです。受付で会員証やpolicy numberを提示することで、患者が診察費全額を立て替えずに済む場合があります。 ベンで生活する場合は、居住予定のエリアや学校周辺にdirect billing対応クリニックがあるかも、保険会社選びの比較材料になります。

OSHCで補償されないもの・制限されやすいもの
OSHCは、留学生活で発生するすべてのトラブルを補償する保険ではありません。
| 項目 | 確認すべきポイント |
|---|---|
| 歯科 | 検診、虫歯、親知らず、歯科手術などは基本プランの対象外 |
| 眼科 | 眼鏡、コンタクトレンズ、一般的な視力検査など |
| 理学療法 | Physiotherapy、Chiropractic、Podiatryなど |
| 既往症 | 待機期間、告知義務、補償開始時期 |
| 妊娠・出産 | 待機期間、産科診療、家族プランの条件 |
| オーストラリア国外の治療 | 日本への一時帰国中や旅行先での診療 |
| 携行品 | スマートフォン、パソコン、荷物の盗難・破損 |
| 個人賠償責任 | 他人やシェアハウスの設備に損害を与えた場合 |
| 旅行トラブル | 航空便の欠航、遅延、旅行キャンセルなど |
| 帰国後の治療 | 帰国後に継続する通院や治療 |
基本的なOSHCでは、歯科、眼科、理学療法は補償されません。必要な場合は、OSHCのExtrasを追加するか、別の民間保険を検討します。 や妊娠・出産は、必ずしもすべて対象外になるわけではありませんが、待機期間や条件が設けられていることがあります。該当する人は、契約前に保険会社へ直接確認してください。
盗難、賠償責任、フライトキャンセルなどにも備えたい場合は、日本の留学保険や海外旅行保険をOSHCに追加する方法があります。
OSHCを提供している保険会社は6社
2026年8月4日時点で、Study AustraliaおよびPrivateHealth.gov.auが案内しているOSHC提供会社は次の6社です。
- ahm OSHC
- Allianz Care Australia(Peoplecare)
- Bupa Australia
- CBHS International Health
- Medibank Private
- nib OSHC
学校が提携している保険会社を案内し、入学手続きと一緒にOSHCを手配することもあります。一方で、学生自身が認可された保険会社を選び、直接契約することも可能です。 社を比較するときは、保険料だけでなく次の点も確認しましょう。
- ブリスベン周辺の提携クリニック
- direct billingの対応状況
- アプリやオンライン請求の使いやすさ
- 24時間の緊急連絡先
- 日本語または通訳サポート
- 既往症や妊娠に関する待機期間
- 解約・返金・延長の条件
- 歯科や眼科を追加できるか
OSHCの費用はいくら?

OSHCの保険料は一律ではありません。主に次の条件によって変わります。
- 加入する保険会社
- 補償プラン
- 補償開始日と終了日
- Single、Couples、Familyなどの加入区分
- 歯科や眼科などの追加補償
- 保険会社の料金改定
そのため、「OSHCは1年間で必ず〇〇豪ドル」とは言い切れません。
料金を比較するときは、すべての保険会社で次の条件をそろえて見積もることが大切です。
- 同じ開始日
- 同じ終了日
- 同じ家族構成
- 同じ補償レベル
- 同じExtrasの有無
家族を帯同する場合は、Singleプランよりも保険料が大幅に高くなることがあります。配偶者や子どもを含む人は、学校から見積もりを受け取る段階で家族構成を正確に伝えましょう。
OSHCを含めた留学予算については、オーストラリア大学留学の学費・生活費も参考にしてください。
学生ビザ申請時の資金準備については、オーストラリア留学の残高証明で詳しく解説しています。
OSHCにはいつからいつまで加入する?
OSHCの期間は、授業が行われるコース期間だけをカバーすればよいとは限りません。
Home Affairsは、学生ビザの滞在期間を決定する際、コース期間だけでなくOSHCの終了日も考慮すると案内しています。
OSHCは最低でもコース期間全体をカバーする必要があり、コース修了後の追加滞在期間まで保険が設定されていなければ、本来想定していたビザ期間が認められない可能性があります。 なビザ滞在期間の目安は次のとおりです。
| コース期間・修了時期 | 一般的な追加滞在期間 |
|---|---|
| 10か月未満 | コース修了後、通常1か月 |
| 10か月以上で1月~10月に修了 | コース修了後、通常2か月 |
| 10か月以上で11月~12月に修了 | 翌年3月15日までとなる場合がある |
実際のビザ期間は、OSHC、未成年者の福祉手配、申請内容などによって異なります。
OSHCを設定する際は、次の順番で確認しましょう。
- CoEに記載されたコース開始日と終了日を確認する
- オーストラリアへの入国予定日を決める
- コース終了後のビザ追加期間を確認する
- 帯同家族を正しい加入区分に含める
- 必要期間をすべてカバーするOSHCを購入する
ビザ発給後に「保険を長く買い足したので、ビザ終了日も自動的に延長される」という仕組みではありません。Home Affairsは、発給後のビザ終了日は変更できないため、OSHCの購入期間を事前に検討するよう案内しています。 転校で学生ビザを延長する場合は、オーストラリアで学生ビザを延長する方法も確認してください。
OSHCの加入方法
OSHCに加入する方法は、大きく分けて「学校経由」と「自分で契約」の2通りです。
学校を通して加入する
入学手続きの際に、学校が提携している保険会社のOSHCを手配する方法です。
学費や入学金と一緒にOSHC保険料を支払い、学校から保険証明書を受け取るケースがあります。
学校経由のメリットは、CoE発行や学生ビザ申請までの手続きをまとめて進めやすいことです。
ただし、学校に任せた場合も、次の情報は自分で確認・保管してください。
- 保険会社名
- policy number
- 加入者名
- 補償開始日・終了日
- SingleまたはFamilyなどの契約区分
- 保険証明書
- 緊急連絡先
自分で保険会社を選ぶ
認可された6社から自分で保険会社を選び、公式サイトから申し込む方法です。
各社の料金、提携医療機関、アプリ、追加補償などを比較できる一方、ビザに必要な期間を自分で正確に設定する必要があります。
申込後は保険証明書を保存し、学校や学生ビザ申請で必要になった場合に提出できるようにしましょう。

ブリスベンで病院を受診するときの流れ
緊急ではない体調不良の場合は、まずGPを受診します。
一般的な流れは次のとおりです。
- 保険会社のアプリや公式サイトを開く
- ブリスベン周辺の提携クリニックを検索する
- direct billingに対応しているか確認する
- 電話またはオンラインで予約する
- OSHCのデジタル会員証またはpolicy numberを提示する
- 必要に応じて診察費を支払う
- 領収書をアプリやオンラインフォームから請求する
- 給付額とgapを確認する
保険請求が完了するまでは、次の書類を保管してください。
- 診察費の領収書
- 医師の紹介状
- 処方箋
- 検査結果
- 病院からの請求書
- 支払いを証明する書類
専門医、手術、予定入院などでは、受診前に保険会社の承認が必要になることがあります。
OSHCと日本の海外旅行保険・OVHCの違い
| 保険の種類 | 主な対象 | 主な役割 |
|---|---|---|
| OSHC | 学生ビザ保持者 | 学生ビザの保険要件とオーストラリア国内の基本的な医療 |
| 日本の留学・海外旅行保険 | 留学、旅行、ワーホリなど | 治療、携行品、賠償責任、救援者費用、旅行トラブルなど |
| OVHC | 観光、就労、卒業後など一部のビザ保持者 | Medicareを利用できない外国人の医療費に備える |
日本の海外旅行保険に加入していても、それだけで学生ビザ用のOSHCを置き換えられるとは限りません。
学生ビザではOSHCを確保したうえで、OSHCに含まれない次の補償が必要か検討します。
- パソコンやスマートフォンの盗難・破損
- 個人賠償責任
- 日本語医療通訳
- 救援者費用
- 一時帰国中の治療
- フライトの欠航や遅延
また、学生ビザが終了すると、原則としてOSHCを継続できません。卒業生ビザや就労ビザなどへ切り替える場合は、そのビザに適した医療保険へ変更する必要があります。 OSHCを選ぶときのチェックリスト
契約前に、次の項目を確認しましょう。
- 学生ビザに必要な期間をすべてカバーしている
- 入国予定日より補償開始日が遅くなっていない
- 配偶者や子どもを正しいプランに含めている
- GP・専門医・病院の給付条件を確認した
- 救急車の補償条件を確認した
- 処方薬の上限を確認した
- 既往症や妊娠に関する待機期間を確認した
- ブリスベン周辺に提携クリニックがある
- direct billingに対応している
- アプリや保険請求が使いやすい
- 解約、返金、延長の条件を確認した
- 歯科・眼科などのExtrasが必要か検討した
保険料の安さだけでなく、実際に住むエリアで使いやすいかを基準に選ぶことが大切です。
まとめ|ブリスベン留学ならブリスベン留学ドットコム

OSHCとは、オーストラリアで学生ビザを取得する留学生に原則必要な健康保険です。
基本プランでは、GP、専門医、検査、病院治療、救急車、一部の処方薬などが補償されます。一方で、歯科、眼科、理学療法、携行品、個人賠償責任、旅行キャンセルなどは対象外になりやすいため、必要に応じてExtrasや日本の留学保険を検討しましょう。
また、OSHCの終了日は学生ビザの滞在期間にも影響する可能性があります。コース期間だけでなく、入国予定日、コース修了後の追加期間、帯同家族まで含めて設定することが重要です。
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長期になるほど費用を抑えやすいプランもあり、学校手配のサポート手数料は無料です。
※一部規定があります。
詳しいサポート内容は、ブリスベン留学ドットコムの無料サポートをご確認ください。
参照元
本記事は、2026年8月4日時点で次の公式情報を確認して作成しています。
- Department of Home Affairs「Student visa(Subclass 500)」
- Department of Home Affairs「Length of stay for Student visas」
- Study Australia「Overseas Student Health Cover(OSHC)」
- Study Australia「Health insurance for international students in Australia」
- PrivateHealth.gov.au「Overseas Student Health Cover」
- Services Australia「Reciprocal Health Care Agreements」
※補償内容、給付上限、待機期間、保険料、保険会社の商品名、学生ビザの条件は変更されることがあります。契約時およびビザ申請時には、必ず保険会社とオーストラリア政府の最新情報をご確認ください。

