オーストラリアでチャイルドケアや幼児教育を学びたい人の中には、「専門学校と大学では何が違うの?」「大学を卒業すると保育士として働ける?」「ブリスベンから通えるコースはある?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
サザンクロス大学(Southern Cross University)には、幼児教育の専門家であるEarly Childhood Teacherを目指せる学士課程と、すでに大学を卒業している人向けの大学院レベルのコースがあります。
2026年は、対象となる多くの留学生向けコースの年間学費がA$26,000に設定されており、費用とコース内容を比較しながら進学先を選びたい人にとって検討しやすい大学です。
この記事では、サザンクロス大学でチャイルドケア・幼児教育を学べるコースの違い、学費、実習、英語条件、認定、ブリスベンから進学する際の注意点を解説します。
サザンクロス大学でチャイルドケアを学べるコース

サザンクロス大学で幼児教育分野を学ぶ場合、主な選択肢は次の3コースです。
| コース | 期間 | 主な対象者 | 2026年の年間学費 | 留学生向け開講地 |
| Bachelor of Early Childhood Education | 3年 | 高校卒業後などに幼児教育を専門的に学びたい人 | A$26,000(約2,912,000円) | ゴールドコースト |
| Bachelor of Education (Early Childhood/Primary) | 4年 | 幼児教育と小学校教育の両方を学びたい人 | A$26,000(約2,912,000円) | ゴールドコースト |
| Graduate Diploma of Education (Early Childhood) | 1年 | すでに学士号を取得している人など | A$26,000(約2,912,000円) | ブリスベン、ゴールドコースト、シドニー、メルボルン、パース |
3つのコースは、いずれも子どもの教育に関係していますが、卒業後に想定される職場や対象年齢、入学条件が異なります。
特に、**ブリスベンで受講できるのは、原則としてGraduate Diploma of Education(Early Childhood)**です。学士課程を留学生として受講する場合は、ゴールドコーストキャンパスが主な選択肢となります。
大学のチャイルドケアコースは専門学校と何が違う?

日本では「チャイルドケア」と一括りにされることがありますが、オーストラリアでは資格レベルによって担当する役割が異なります。
専門学校やTAFEで提供されるCertificate IIIやDiplomaは、主にChildcare Educatorとして現場で子どものケアや学習支援を行うための資格です。
一方、サザンクロス大学の幼児教育コースは、主にEarly Childhood Teacher(幼児教育教員)を目指す大学レベルの資格です。
Early Childhood Teacherは、子どもの発達や教育プログラムを理解し、教育計画の作成、学習評価、保護者との連携、チームの指導など、教育面でより大きな責任を担うことがあります。
そのため、「チャイルドケア施設で働きたい」という希望だけでなく、次のどちらを目指すかを最初に整理することが重要です。
- 現場で保育や生活支援を行うChildcare Educator
- 幼児教育の計画や指導を担当するEarly Childhood Teacher
Certificate IIIやDiplomaから始める方法と、大学でEarly Childhood Teacherを目指す方法では、必要な期間、学費、英語力が大きく異なります。
Bachelor of Early Childhood Education|コース概要

3年間で幼児教育を専門的に学ぶ学士課程
Bachelor of Early Childhood Educationは、0歳から5歳程度の子どもに関わる幼児教育を中心に学ぶ3年間の学士課程です。
子どもの発達、幼児教育の理論と実践、教育方法、健康とウェルビーイング、現代の幼児教育が抱える課題、リーダーシップなどを学びます。
大学公式情報では、留学生の受講場所はゴールドコーストキャンパス、2026年の年間学費はA$26,000と案内されています。入学時期は2026年の場合、3月と6月です。
合計680時間の実習がある
このコースには、幼児教育施設での85日間と、小学校での10日間を合わせた、合計680時間の実習が含まれます。
大学で理論を学ぶだけでなく、チャイルドケアセンターやプリスクールなどの現場で、子どもとの関わり方や教育計画の立て方を実践的に学べる点が特徴です。
実習先が必ず自宅の近くになるとは限りません。大学は、実習先までの交通や移動について、学生自身が対応する必要があると案内しています。
ACECQAの承認を受けている
Bachelor of Early Childhood Educationは、ACECQAが定めるNational Quality Frameworkの要件を満たす幼児教育資格として承認されています。
卒業後は、チャイルドケアセンター、プリスクール、そのほかの幼児教育サービスでEarly Childhood Teacherとして働く進路が想定されています。
ただし、実際の登録や就職条件は州・準州によって異なります。卒業後に働きたい州が決まっている場合は、その州の登録機関の条件も確認しましょう。
英語条件
留学生に求められるIELTSの目安は、次のとおりです。
| 項目 | 必要スコア |
| Overall | 6.5 |
| Reading | 6.5 |
| Writing | 6.5 |
| Listening | 6.5 |
| Speaking | 6.5 |
Overallだけでなく、すべての技能で6.5が必要です。
一般的なビジネス系コースよりも高い英語力が求められるため、出願時期から逆算して英語試験の準備を始める必要があります。
Bachelor of Education(Early Childhood/Primary)|コース概要

幼児教育と小学校教育を両方学ぶ4年間のコース
Bachelor of Educationでは、複数の専門分野から進路を選択します。
チャイルドケア・幼児教育に関心がある人は、Early Childhood/Primary specialisationが候補になります。
この専攻では、幼児教育施設に加えて、オーストラリアの小学校に相当するPrimary Schoolでの教育も学びます。対象年齢が広いため、幼児教育だけに限定せず、小学校教員としての進路も検討したい人に向いています。
実習は110日・880時間
Early Childhood/Primary専攻では、幼児教育施設と小学校を合わせて110日、合計880時間の実習が組み込まれています。
Bachelor of Early Childhood Educationよりも期間が1年長く、実習時間も多いため、幼児教育と初等教育の両方を幅広く学ぶコースです。
英語条件が高い
Bachelor of EducationのIELTS条件は、次のとおりです。
| 項目 | 必要スコア |
| Overall | 7.5 |
| Reading | 7.0 |
| Writing | 7.0 |
| Listening | 8.0 |
| Speaking | 8.0 |
特にSpeakingとListeningで8.0が必要となるため、英語力の面では難易度が高いコースです。
「幼児教育と小学校教育の両方を学びたい」という理由だけで選ぶのではなく、入学までに英語条件を満たせるかも含めて検討しましょう。
認定と卒業後の進路
Early Childhood/Primary pathwayは、幼児教育分野についてACECQAの認定を受けています。
また、Bachelor of Educationは、NSW Education Standards Authorityによる認定や、Queensland College of Teachersによる承認に関する説明も掲載されています。
ただし、教員登録の条件は州ごとに異なります。クイーンズランド州での就職を希望する場合は、Queensland College of Teachersなどの最新条件も確認してください。
Graduate Diploma of Education(Early Childhood)|コース概要

学士号を持つ人が1年間で幼児教育を学ぶコース
すでに日本やオーストラリアなどで学士号を取得している人は、Graduate Diploma of Education(Early Childhood)を検討できます。
専攻分野を問わず学士号を持っている人が主な対象となるため、大学卒業後にチャイルドケア・幼児教育分野へキャリアチェンジしたい人に適したコースです。
また、オーストラリアのEarly Childhood Education and Care分野でDiploma以上の資格を持ち、一定の実務経験とリーダー経験がある人も、条件によって出願できる場合があります。
ブリスベンで受講できる
留学生向けの開講地は次のとおりです。
- ブリスベン
- ゴールドコースト
- シドニー
- メルボルン
- パース
2026年の入学時期は3月、6月、10月、期間は1年間、年間学費はA$26,000(約300万)です。
サザンクロス大学のチャイルドケア系コースをブリスベンで学びたい人にとっては、最も検討しやすい選択肢です。
ただし、学士号を持っていない人が高校卒業後すぐに入学することはできません。
60日・480時間の実習
コースには、幼児教育施設での60日間、合計480時間の実習が含まれます。
実習は、主に3歳から5歳の子どもを対象とする環境と、乳児・幼児を対象とする環境の2種類で行われます。
実習開始前には、Working with Children Checkなど、州や実習先が定める条件を満たす必要があります。
英語条件:IELTSは各技能6.5
英語条件は次のとおりです。
| 項目 | 必要スコア |
| Overall | 6.5 |
| Reading | 6.5 |
| Writing | 6.5 |
| Listening | 6.5 |
| Speaking | 6.5 |
IELTS Overall 6.5だけでなく、各技能6.5が必要です。
3つのコースはどれを選ぶべき?

自分の学歴と目指す職種から考えると、コースを選びやすくなります。
| 希望・状況 | 向いているコース |
| 学士号を持っておらず、幼児教育を専門に学びたい | Bachelor of Early Childhood Education |
| 幼児教育と小学校教育の両方を学びたい | Bachelor of Education (Early Childhood/Primary) |
| すでに学士号を取得している | Graduate Diploma of Education (Early Childhood) |
| ブリスベンで幼児教育を学びたい | Graduate Diploma of Education (Early Childhood) |
| IELTS 7.5以上を目指すのが難しい | Bachelor of Education以外の選択肢も比較 |
| Early Childhood TeacherではなくEducatorとして働きたい | Certificate IIIやDiplomaも比較 |
「大学の方が就職に有利そう」という理由だけで決めるのではなく、希望する職種に大学資格が必要かを確認することが大切です。
Childcare Educatorを目指す場合は、大学よりも期間や学費を抑えられる専門学校コースが適していることもあります。
チャイルドケア分野のコース選択や卒業後の進路については、チャイルドケアでオーストラリア永住権を目指す場合のコース設計も参考にしてください。
2026年の学費は年間A,000

サザンクロス大学では、Access26という制度により、2026年の対象となる多くの留学生向けコースの学費が年間A$26,000に設定されています。
この記事で紹介した3コースについても、公式コースページで年間A$26,000と確認できます。
ただし、年間A$26,000は、原則として1年間に8ユニットを履修する場合の授業料です。
次の費用は別途必要になる可能性があります。
- OSHC(留学生健康保険)
- 教材費や文房具代
- 実習先までの交通費
- 実習に必要な証明書やチェックの費用
- 滞在費や生活費
- 航空券
- 学生ビザ関連費用
学費だけで進学先を決めず、卒業までの年数を含めた総額で比較しましょう。
オーストラリアの大学に必要な費用全体については、オーストラリア大学の学費と費用内訳でも解説しています。
入学前に確認しておきたいポイント

学歴条件
学士課程への入学では、オーストラリアのYear 12に相当する学歴や成績が確認されます。
日本の高校を卒業している場合でも、成績や履修内容によっては、必ずしも希望コースへ直接入学できるとは限りません。
Graduate Diplomaの場合は、原則として学士号が必要です。Diplomaと実務経験による出願ルートには細かな条件があるため、個別審査が必要になります。
オーストラリアの大学出願の流れは、オーストラリア大学出願の6ステップで確認できます。
英語条件
チャイルドケア・教育系のコースは、一般的な大学コースよりも高い英語力が求められる傾向があります。
特にBachelor of Educationは、IELTS Overall 7.5に加え、SpeakingとListeningで8.0が必要です。
英語スコアが不足している場合でも、大学付属英語コースなどから進学できる可能性はありますが、教育系コースでは直接入学条件や登録条件が厳しく設定されることがあります。
英語コースを経由できるか、どのスコアが必要かは、出願前に個別に確認してください。
実習条件
幼児教育系コースでは、所定の実習をすべて修了する必要があります。
実習前には、次のような手続きが必要になる場合があります。
- Working with Children Check
- 犯罪歴に関する確認
- 応急処置関連の資格
- 実習先が指定する研修
- 予防接種や健康関連書類
- 実習先への移動手段の確保
必要条件は州や実習先によって異なります。
ACECQA認定だけで就職できるとは限らない
オーストラリアの幼児教育分野で資格を選ぶ際は、ACECQAの認定状況が重要です。
ACECQAは、就学前の子どもを対象とする教育・ケアサービスで働くための、承認資格や旧承認資格のリストを公開しています。
サザンクロス大学の対象コースがACECQAの認定を受けていても、それだけでオーストラリア全州で自動的に教員登録されるとは限りません。
卒業後に働く際には、次の条件も確認する必要があります。
- 就職を希望する州・準州の登録条件
- 英語力に関する条件
- Working with Children Check
- 教員登録や職業登録
- 雇用先が定める採用条件
- ビザ上の就労条件
「ACECQA認定コースを卒業すれば必ず就職できる」「永住権を取得できる」とは断定できないため、進学前に卒業後の計画まで確認しましょう。
サザンクロス大学のチャイルドケアコースが向いている人

サザンクロス大学の幼児教育コースは、次のような人に向いています。
- オーストラリアでEarly Childhood Teacherを目指したい人
- 現場実習の多い大学コースを選びたい人
- 年間学費を抑えながら大学資格を取得したい人
- ゴールドコーストで大学生活を送りたい人
- 学士号取得後に幼児教育分野へキャリアチェンジしたい人
- ブリスベンで1年間のGraduate Diplomaを受講したい人
- 将来的に幼児教育施設のリーダー職も目指したい人
一方、できるだけ短期間・低予算でChildcare Educatorとして働き始めたい場合は、Certificate IIIやDiplomaの方が目的に合う可能性があります。
よくある質問

サザンクロス大学のチャイルドケアコースはブリスベンで受講できますか?
Graduate Diploma of Education(Early Childhood)は、留学生もブリスベンで受講できます。
Bachelor of Early Childhood EducationとBachelor of Educationの留学生向け開講地は、2026年時点ではゴールドコーストです。
高校卒業後A$26,000だけですか?
A$26,000は授業料です。
OSHC、教材費、実習関連費、交通費、生活費、ビザ関連費用などは別途必要です。また、学費は入学年度や履修科目数によって変更される可能性があります。
IELTS 6.5があればすべてのコースに入れますか?
コースによって異なります。
Bachelor of Early Childhood EducationとGraduate Diplomaは、IELTS Overall 6.5かつ各技能6.5が基本条件です。
Bachelor of Educationは、Overall 7.5、SpeakingとListening 8.0、ReadingとWriting 7.0が求められます。
卒業すればオーストラリアで保育士として働けますか?
対象コースはEarly Childhood Teacherにつながる資格としてACECQAの認定を受けています。
ただし、実際に働くためには、州ごとの登録条件、英語条件、就労可能なビザ、雇用先の採用条件なども満たす必要があります。
まとめ|学歴と希望職種からコースを選ぼう

サザンクロス大学には、チャイルドケア・幼児教育分野を学べる複数のコースがあります。
高校卒業後などに幼児教育を専門的に学びたい人は、3年間のBachelor of Early Childhood Educationが主な選択肢です。
幼児教育と小学校教育の両方を学びたい人は、4年間のBachelor of Education(Early Childhood/Primary)を検討できます。
すでに学士号を取得している人は、ブリスベンでも受講できる1年間のGraduate Diploma of Education(Early Childhood)が候補になります。
ただし、コースによって学歴条件、英語条件、実習日数、卒業後の登録要件が異なります。「チャイルドケアを学びたい」という希望だけで決めず、目指す職種と現在の学歴から逆算して選ぶことが大切です。
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※一部規定があります。
サザンクロス大学と専門学校のどちらが自分に合っているか分からない方も、卒業後の目標から一緒に整理していきましょう。
参照元
- Southern Cross University「Access26」
- Southern Cross University「Bachelor of Early Childhood Education – 2026」
- Southern Cross University「Bachelor of Education – 2026」
- Southern Cross University「Graduate Diploma of Education(Early Childhood)– 2026」
- Australian Children’s Education and Care Quality Authority「NQF approved qualifications list」
※学費、入学条件、開講地、認定、実習条件は変更される可能性があります。出願時には大学および関係機関の最新情報をご確認ください。

